生活習慣病
平野内科クリニックでは、この生活習慣病の治療をしっかりと行っていくことが何よりも重要であると考えております。
生活習慣病には、糖尿病や高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)などがあり、いずれも運動不足、過食、そして肥満といった生活習慣の不摂生が主な原因となる慢性疾患です。
生活習慣病の怖いところは、その多くに自覚症状がないことです。
つまり、気が付かないところで、ひそかに病状を進行させていき、徐々に体を蝕ばみ、その先には脳卒中や心筋梗塞など命にかかわる疾患が待っているのです。
生活習慣病をしっかりと管理していくことで、そのような事態になるのを防げます。
一人でも多く、そのような重篤な疾患の発症を未然に防げるよう努力したいと思います。
高血圧
高血圧は、血圧が収縮期血圧(上の血圧)が140以上、拡張期血圧(下の血圧)が90以上です。
高血圧がなぜ悪いのかは、風船をふくらますことに例えればわかりやすいと思います。
風船にずっと圧力をかけて膨らませていくと、どうなるでしょう。当然、破裂します。
血管も同じです。圧力が強いと血管にこぶ(瘤)が出来て、最後は破裂します。
脳動脈瘤(くも膜下出血)も大動脈瘤も破裂により突然死のもとになる怖い疾患です。
高血圧はその原因となるのです。
脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多過ぎる、または少な過ぎる場合に引き起こされる疾患です。やはり、動脈硬化を進行させます。
イメージとして、油を多く使った料理をするとキッチンが油でギトギトになるのと同じで、油(脂肪)が血管にこびりついた感じと考えてもらえばいいと思います。
そしてそのこびりついた塊のために、血流(血液の流れ)が妨げられ、その結果、脳の血管で詰まりが起これば脳梗塞、心臓の血管で詰まりが起これば心筋梗塞となります。
糖尿病
通常、血液中のブドウ糖は、インスリンの働きによって細胞に取り込まれてエネルギー源になったり、あるいは脂肪やグリコーゲン(動物デンプン)という物質となって肝臓や筋肉に蓄えられたりします。
しかし、何らかの理由で血液中のブドウ糖が細胞にうまく取り込めなくなり、血液中にブドウ糖がだぶついてしまった状態――それが糖尿病です。
この糖尿病という病気は、高血圧や脂質異常症よりも厄介です。血管の異常を来しやすいのです。
長く医者をやっていると、この糖尿病により、失明する人、人工透析が必要となる人、壊疽(えそ)により足切断が必要になる人、若くして脳梗塞・心筋梗塞を発症する人などに何度も遭遇します。
その度、しっかりと管理する重要性を痛感するのです。
高尿酸血症(痛風)
高尿酸血症とは、血液中の尿酸が多くなり過ぎている状態です。尿酸は水分に溶けにくいため、血液中では尿酸塩として存在しています。尿酸が過多になると、針状の尿酸塩の結晶ができ、体のあちこちに溜まって、痛みを引き起こします。これが痛風です。
高尿酸血症は痛風を起こすことが有名ですが、実は高血圧・脂質異常症・糖尿病と同様に動脈硬化を進行させるのです。
メタボリックシンドロームにも要注意
肥満、特に内臓まわりに脂肪が溜まって、お腹がぽっこり出ている「内臓脂肪型肥満」の方は、血圧、血糖、脂質値などの異常をきたしやすく、その結果、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病が重なりやすいことがわかっています。内臓脂肪型肥満(へその高さの腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上)があり、高血圧、高血糖、脂質異常症のうちの2つ以上が重なっている状態を「メタボリックシンドローム」と言います。
メタボリックシンドロームの患者さんでは、血圧、血糖、脂質などの値がそれほど異常でなくても、それらが重なることで動脈硬化が一層進展しやすくなり、心筋梗塞や脳血管障害などの心血管事故の危険率を高くすることが知られています。